監督:長崎俊一
2005年/日本

父親から引き継いだ古ぼけた写真館で働く寿俊。病に冒された彼に残された時間はあとわずか。しかし、そんな運命すら静かに受け止めて、彼は独りで消えてゆこうと決心していた。そんなある日突然、小学校の臨時教員の由紀子が店に飛び込んでくる。間もなく二人は惹かれあうようになるが……。
「君は神様がくれた最高のプレゼントでした。」
山崎まさよしはすごいなぁ。
あの役者陣に囲まれてもまったく引けをとらない。『月とキャベツ』ではミュージシャンという役だったからかな、とちょっと思いましたけど、今作を見て改めて実感しました。
そして相手役の関めぐみ。
『恋は五・七・五!』のイメージしか無かったので、こんな切ないお話ではどう演じるのかが非常に楽しみでした。いやぁ、やるなぁ。戸田菜穂と対面するシーンと、化粧した姿を見せに来るシーンがとても良かったです。いや、全編通して良かったんだけど、特にその二つは、ね。
お話自体はまぁベタな感じで、良くも悪くも韓国らしい一品。
ただ、この主演二人に加え、脇を固める役者陣(特に西田尚美と大倉孝二大好き)とどこか懐かしさを与えてくれる北陸の風景があるおかげで、かなり日本のテイストが感じられました。
そしてなにより演出。
語らないで見せる、という、非常に日本らしいやり方。
やわらかくあたたかい雰囲気が、とても心にしみました。
どう考えても救われないお話ですよね。
最愛の人を遺して逝ってしまう方も、遺される方も、どっちもたまらなくつらい。やるせない。
終盤からラストにかけて涙と一緒にどきどきが止まりませんでした。
どう終わらせるのか。
ほんと、あーれはすごく良い終わり方だなぁ。
切なく苦しいのは変わりませんが、充分に救われる。言葉の全くない、ていうかむしろ言葉なんてまったく要らない演出はとてもすばらしい。
あの笑顔に勝るものなんてないよ。
韓国のオリジナル版は見たことがないのですが、是非見てみたくなりました。
8月のクリスマス
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