監督:奥原浩志

ひとりの少女が女優になるために、親元を離れて上京してきた。
“東京”は、あまりにも大きくて、騒がしくて、息ができないほど空も狭い。
ひとりで歩く見知らぬ街、初めての仕事、初めてのひとり暮らし、
そして初めての、小さな恋……。
“憧れ”と“現実”の間で揺れながら少女は日々を歩んでいく。
サキ、16歳。知らない街で、まだひとりぼっち。
『赤い文化住宅の初子』という映画のスピンオフとして、主演女優・東亜優が上京してから『初子』撮影までのエピソードをベースとして作られた作品。
ということで、かなり生々しい映像となっていました。
ひとりの少女が期待と不安に打ち震える様がなんともいえずリアルで、もうひとりの主役ともいえる少年が若者特有の孤独と焦燥をプラスし、画面からは痛いくらいにヒリヒリした感じが伝わってきます。
女優を目指して少女が上京する、という、いかにもドラマ性のありそうな設定ですが、劇的なことは見事なくらい起こらない。
ただただ少女と少年の心の襞をなぞるように、実に丁寧に作られています。
エンタメ性はないし、手放しでおもしろい!と言える作品ではないですが、「いい仕事だなぁ」と唸ってしまうような作品です。