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作・演出:松井周 / サンプル

兄夫婦と弟は同じ家に住んでいる。
妻への不信感から兄は弟に「妻と二人きりで一泊してきてほしい」と願い出る。
そして、その間に起きたことを逐一報告するようにと。
夏目漱石の『行人』のシチュエーションを借りて、変化していく三角関係の行き着く果てを描く。


三人芝居で、役者は基本出ずっぱり。舞台にあるのは大きな机と椅子が二脚だけ。
数時間前にド派手で大掛かりな舞台装置で彩られた一大ショウを見たあとの目には、非常にやさしいというか、落ち着く感じでした。
それでいて、あらすじを見ると「どんな昼ドラよ、それ」とツッコみたくなりますが、いやはやまったく、昼ドラなんて目じゃねぇぜってくらい濃密な舞台でした。

兄嫁をめぐる兄と弟の愛憎の物語。
かと思いきや、物語はどんどん加速していき、もはや一般人の理解を超えた領域まで一気にぶっ飛んでいき、退廃的で妖艶で変態的な世界を見せつけてくれました。すげーおもしろかった。

芝居の冒頭、これは美術家である兄の変態性に兄嫁と弟が巻き込まれみんな変態に感染していくお話かと思ったのだけれど、なんのこたぁない、結局のところそんな簡単で生やさしい話ではなく、登場人物の三人ともが変態性を持っていて、ていうか、これはこの登場人物に限った話じゃなくて人間誰しもが心の奥底に(いや、人によってはそんな深くなかったり思いっきり表面に出てるのかもしれないけれど)持ってる変態性を暴いて見せつけて「お前らちゃんと直視しろよ」って突きつけてくるお芝居だったのではないかと思います。

正直、一回見ただけではきちんと咀嚼できている自信がないのですが、たぶんそんな感じだと思います。

いやしかしそれにしても伊藤キムさんの身体の使い方がすごい。
見ていてよくわからない動き。
ダンサーってすごいと思いました。身体を動かすにしても、役者とはなにかが根本的に違うような気がする。まさに蛇。

そして稲継美保さんサイコー。
あまりにも魅力的すぎて惚れそうでした。
きれいというかうつくしいというか、とにかく艶っぺえ。

なによりこんな変態的な芝居を書いて上演しちゃうあたり松井周さんが一番ステキ。
もっと見たいよー。

急いでいたから素通りしちゃったけど、あー、戯曲買ってくれば良かった……。
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