監督:ジョナサン・ノシター
2004年/フランス、アメリカ

世界は、一杯のワインのために。
ワインはお好きですか? ワインについて、不思議に思うことはありませんか? おいしいワインなら、世界中のみんなが飲みたい。だから市場原理で高くなる。でもいったい誰がその美味しさを、値段を決めているのでしょうか? その“美味しいワイン”は、本当に美味しいのでしょうか?
この映画を見ると、明日選ぶワインが変わります。
や、予告編のポップな感じやチラシに綴られた文言などから、てっきりワインについての裏話や小話、いわゆる小ネタのようなものをおもしろおかしく紹介してくれるのかと思っていました。
ところがところが。
生産者やコンサルタント、評論家、そういったワインビジネスに関わる人々に対する取材を軸に、実に真っ当に作られたワイン市場、ワイン業界に対するドキュメンタリー映画でした。
映像の切り貼りや構成は結構おもしろい……んだけど、やっぱ駄目。
もともとドキュメンタリー好きじゃないんだよ。
この作品でさまざまな人が登場してさまざまなことを言いますが、その主張って始めの三十分で十分すぎるほど理解できてしまうんです。
あとは、手を変え品を変えっていう感じ。
ロバート・パーカーの「階級制だったワインの世界に、米国的な民主的視点を持ち込んだことが誇りだ」とかいう言葉に、本当に辟易した。
なんだそれ。
その思いこみと自己正当化の激しさは間違いなく米国的だけど、民主的ってなんだ。
自らが新たな階級を敷いたことには言及しないのか。
あんたの一言が階級を強いていることはどうなんだ。
もともとそんな高価なワインを買えるような身分ではないし、チリ産やドイツ産のテーブルワインを好んで買っていたので、今後選ぶワインが変わるかどうかと言われると、そうでもない。
ただ、パーカー・ポイントなんて、絶対に信用しない。
モンドヴィーノ
http://www.mondovino.jp/