幸福のスイッチ

監督：安田真奈
2006年／日本

東京のデザイン会社に勤める新人イラストレーターの怜は、田舎の電器屋で儲けにもならない仕事ばかりを引き受ける父・誠一郎に反発して上京。しかし、自分が思い描いていた仕事はなかなかできず、ついには上司と衝突して会社をやめてしまう。そんな最悪の状況の中、急遽帰省することになった怜は、家業を手伝うはめに。怜の不機嫌は募る一方。だが、慣れない家業を手伝ううちに父の仕事ぶりや人柄が地元の人に深く愛されていることを知り、父の愛情の深さや家族の絆のありがたさ、働くことの喜びを発見していく……。

いちばんきれいな水

監督：ウスイヒロシ
2006年／日本

小学6年生の夏美には、むずかしい病気で11年間眠ったままの姉・愛がいる。いばら姫のように美しく眠る愛を中心に、父と母の4人で、それでも穏やかに暮らしている。しかし夏休みのある日、母・陽子の妹でカメラマンの真理子が、遠く南米の地で事故に巻き込まれたという連絡が入る。夏美を残し、あわただしく現地へ出発する両親。姉妹が生まれてはじめてふたりきりになった夜に、奇跡は起こった……。
姉と過ごした奇跡の3日間。「いちばんきれいな水」のある秘密の場所で少女は勇気を手に入れた。

ただ、君を愛してる

監督：新城毅彦
2006年／日本


恋をしてはいけない運命にありながら、恋をしてしまった。
生涯ただ一度のキス　ただ一度の恋

「あのキスの時、少しは愛はあったかな？」
「君は、僕の世界のすべてだった──」

楽日

監督：ツァイ・ミンリャン
2003年／台湾

この日の上映を最後に取り壊される巨大な映画館。自らの若かりし頃の姿を映すスクリーンを見つめる老俳優。かつて幾万もの精霊が跋扈した映画の歴史への哀悼の讃歌。

西瓜

監督：ツァイ・ミンリャン
2005年／台湾

極限の水不足が続き、人々が西瓜ジュースでのどの渇きを癒している台湾の街。そんな中、久々にパリから帰国したシャンチーは、偶然にも昔路上で腕時計を買ったことがあるシャオカンと再会する。次第に惹かれ合う2人だったが、シャオカンには彼女に知られたくないある秘密があった。
愛と性に渇いた女とAV男優として生計を立てる男の間に交わされる奇妙でねじれた「純愛」。切なさと、歓びと、果てしない孤独。
水、食料、愛、お金、セックス　それら一切の欲望がとめどなく流れ出していく。なぜ止められないのか。誰か、誰かのために、いっときでも止められたら。