
メディアファクトリー
夏らしく、「恐怖な読書」特集。
まぁね。夏といえば怪談ですよ。怪談といえば夏ですよ。
……こわいのはすきじゃないんだよ……。
こう、映画とかテレビといった映像だとさ。
サプライズ的な驚きにこだわりすぎて、その場でドキッとした驚きはあっても怖さはないじゃないですか。それはいいんですよ。子供だましだから。
でも、文章。
文章でサプライズを表すのって無理でしょう?
本当によくできたホラー小説って、行間から這い上がってくる恐怖に徐々に浸食されていく感じが、本当に怖い。気持ち悪い。そして──クセになる。
恐怖に侵される感じが、自分を犯されているようでたまらない。
そして、後から一人でぶるぶる震えるんです。
まぁ、『リング』と『屍鬼』以外でそうした出来の良い小説に出会った経験はないんですが。