柳原望 / 白泉社

時は戦国、所は小国乾山。隣国との戦の際、姫の風花は戦に加わると勝利をもたらすという鬼・白鬼丸を求め、山に入る。ところが二人は足を滑らし谷底に落ちてしまう。その衝撃が元なのか、二人はキスすると魂が入れ替わってしまうようになったのでした。
いや、入れ替わりってなによとかいうツッコミはできれば無しの方向で。
この二巻では白鬼丸の出生の秘密が明かされるわけですが、アレですか。
ありがちといえばありがちな。
王道といえば王道な。
貴種流離譚は、物語の基本ですか。
それにしても、これ、柳原作品の中でもかなりのハイエンドクラスじゃないですか。
人々の善良さ加減といったら、もう。
もちろん、これ以外の他の作品も基本的には善良な人々ばかりだったんですけど。
これはその比じゃないっていうか。
もしこれが他の誰かの作品だったら、読めてないかもしれません。
これまでの柳原望を知っているから、積み上げてきたものがあるから、辛うじて許容できる世界という感じ。
いや、もちろん嫌いじゃないんですよ。
っていうか、すっげえ好きなんですよ。
だってマンガの中でくらい、夢、見たいじゃないですか。