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田中 相 / 講談社

紅茶の香りに似たアザミが咲きほこる庭、人の言葉を話すコガネムシがやってくる庭、焼きたてのミラベルのタルトと笑い声に包まれた庭、47歩先に壊れたアシカのプールが見える庭……。さまざまな“庭”を舞台に、生きるものの繋がりを描く短編集。

帯に書かれたあらすじと表紙絵のシンプルさがとても良かったので買ってみました。
あっさりしたストーリーと絵、けれど、香る叙情と残る余韻。
市川春子に良く似てる。
大島弓子や萩尾望都にも少し似てるかな。
大当たりでした。


「ファティマの第四庭園」と「まばたきはこれから」の二編が特に良かった。

「ファティマ~」のアザミ野のシーンはしみるなぁ。
じわじわと入り込んでくる、というのではなく、胸に薄い薄い刃をすっと刺してすっと抜かれる感覚。
いや、ほんとに刺されたことはないけれども。

全体にまだ荒削りな感じがありますが、それが青春の青臭さとあいまって、「まばたきは~」のラストシーンはとてもすがすがしくなっています。遠いあの日のことをほのかに思い出し、どきどきしてしまいました。

ただ、どの作品もオチが少し弱く、まぁ、それがいい味を出していることも否めないので、オチのつけ方というより、オチの見せ方を工夫できればさらに化けるに違いない。

期待。
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