田中ユタカ / 白泉社

あいれん [愛人](ai-ren)
終末期の患者の精神的な救済を目的として擬似的な配偶者、恋人のような役割を演じる再生された人造遺伝子人間。
死に瀕した少年と、その愛人。愛人はその役割故、再生時間は長くとも十ヶ月足らず。
つまり、主人公は二人とも死に直面しています。
そして舞台は人類という種が滅亡する直前の遠未来。
生きる、ということ。
愛する、ということ、
死ぬ、ということ。
響くものがありすぎて泣きじゃくりました。
「死」は、唯一誰にでも平等に訪れるため、ある種万能なテーマなので卑怯だと思います。
でもこの「愛人」では、「死」そのものよりも、「愛する人との避けがたい別れ」が大きいと思いました。
っていうか、大きかったです。
イタイです。
とりあえずしばらくは絶対に読み返したくありません。