森博嗣 / 講談社

避暑地に建つ私設博物館「人形の館」。そこに常設されているステージで、衆人環視の中「乙女文楽」の演者が謎の死を遂げた! 被害者の一族では、二年前にも、新婚の青年が殺されていた。悪魔崇拝者だった彼は、「神の白い手」に殺されたのだと、若き未亡人は語るのだが!? ラストの一行で、読者を襲う衝撃の真実!
なんだかこぢんまりとまとまっている、という感じ。
的確にポイントだけ押さえて、「ね、でしょう?」みたいな。前巻に感じたキャラのはっちゃけた感じがいまいちだったような気がします。
ただ単に、初登場時のインパクトを引きずってるだけ、という気もしないでもないですが。
このシリーズを読む前に『四季』を読んでしまっていたので、保呂草さんの副業(むしろ本業?)は知っていたんですが、なるほどなるほど、いいですね。
天才の配置がS&MとVでは違いますね。S&Mでは読み手側に犀川創平、それに対する真賀田四季、という図式でしたが、Vではこちら側に瀬在丸紅子と保呂草潤平がいて、互いに牽制し合うという図式のよう。
ラスト近く遊園地での保呂草&紅子のやりとりにめちゃくちゃしびれます。
かっこいー。