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クドカンが朝ドラを書く、ということで楽しみにしていました。実際に見て、さすがクドカンだと笑ってしまいました。おもしろいのは、まぁ、予想の範囲内だとして、俳優陣の豪華なこと! 舞台役者や個性派をよくぞここまで……というか、キワモノばっかじゃねぇかよ。いいわー。
そしてそんな(ある意味)尖った人々に囲まれてもまったく輝きを失わない能年玲奈。すばらしい。あの橋本愛と並んでも見劣りせず、多少荒削りではあるけれど、遜色ないレベル。いやはや、実にすばらしい。
このキャストとクドカンが組んでおもしろくないわけがないですね。


東京でいじめにあった少女が、東北の豊かな自然と人情味あふれる人々との交流の中で成長していく物語。
ざっとあらすじを抽出すれば、どこかで聞いたことのある珍しくもないストーリーですが、前述の通りのキャストの妙と、クドカンの冴えた脚本と豊富な小ネタのブレンドにより絶妙の味を出しています。
その中でも特に上手いな、と思ったのが、「アキに対する悪意」がまったく存在しないということです。
傷ついた少女が癒されるべき場に悪意がないのは当然とも言えるわけですし、海女クラブのみんながやさしいのは当然の成り行きかな、とは思います。
そして小さな世界で傷を癒した少女はさらに大きな世界へと踏み出し、困難に会い、挫折し、より強く成長していく――と、まぁ、こんなパターンが王道なわけですが、アキはより大きな世界に身を投じても周囲に悪意はなく、善意ばかりがあふれているのです。それはもう、柳原望さんの漫画の世界ばりに。

海と海女クラブのみんなと過ごした夏が終わり、アキは高校に通うことになります。新たな環境、新たな人間関係。元いじめられっこで、東京からの転校生。なにかがあってもよさそうなものですが、ユイちゃんという大親友ができ、??アキの高校生活は順調そのものです。そして初恋、男しかいない潜水土木科への編入。今度こそなにかあるだろうと思っても、特に何もない。種市先輩の気持ちが明らかになり、とうとう修羅場かと思いきや、修羅場ることなくきれいに収まる。
ネットアイドル、ご当地アイドルという新ステージへ移行してもやはり変わらず。

そしてとうとう東京編。
会う人会う人みんなに「かわいい方?」「訛ってる方」と言われ続け、父親のマンションに行けば見知らぬ女がいて、道端ではかつての同級生に会い暴言を投げつけられる。
GMTのメンバーは確かに仲間とはいえ、確固としたヒエラルキーのもとでは同時にライバルなわけで、どろどろしたものを想像するのは難くありません。
いやはや、ようやくアキの周囲に悪意が満ちてきたか、と思ったんですが……。
期待はやはりあっさり裏切られ、アキの周囲はやはり善意に満ち溢れているのでした。
――唯一、荒巻太一を除いては。
彼がこのあまちゃん世界において、アキに対する唯一の悪意、というのは言い過ぎかもしれませんが、まぁ、理不尽の権化――言うなればボスキャラなわけです。
相変わらずアキの周囲は善意に満ちているけれど、ようやくひとつの困難が立ちはだかったわけです。図式はできた。


そして、東京編も佳境を迎えて、ようやくなぜアキの周囲には善意ばかりが集まってくるのかが明かされるわけです。
そこにいるだけで人が集まってきて、みんなが笑顔になる。
それがなによりのアイドルの資質なのだ、と。
ドラマ冒頭から徹頭徹尾「アキに対する悪意」が存在しなかったのはそういう理由だったんですねー。
上手いもんです。


ドラマも残すところあと2ヶ月。
山場も残すところ(多分)ふたつ。アキがアイドルとして成功して、その後の3.11。
どんな風に演出してくれるのか、非常に楽しみです。
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