コロンビアの閉塞した現実をまざまざと見せつけられました。
貧困と絶望に喘ぐ人々の姿が鮮明で、なんとも言えない気分に襲われます。
主演のカタリーナ・S・モレノ。これがデビュー作だそうですが、信じらんねー。上手い、というか、存在感ありすぎ。すっごいですよ。肩肘張らずに演技をしているというのもあるんでしょうが、まるでドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に襲われます。綺麗な人だし、これからの活躍に非常に期待が持てます。
予告を見て、もっとロードムービー的なものを想像していたんですが、そうではなかったです。女性の力強さ、というか、男には到底想像すらできない強さを描いた作品でした。
主人公マリアとともに運び屋をする友人・ブランカ。
前向きで力強いマリアと対照的に、ブランカは消極的で後ろ向き。ことあるごとに積極的なマリアに反発しますが、最後はマリアに頼ることしかできません。
運び屋仲間・ルーシーの姉、カルラ。
マリアと同じコロンビア移民でありながら、アメリカできちんと生活を送る女性。二人とも妊婦でありながら、その立ち位置は真逆です。
この二組の対比をそれぞれ描くことで、主人公マリアを際だたせます。
特に印象的だったのは、産婦人科で愛おしげに赤ん坊の超音波写真を見つめるマリアの姿。
「これが私の赤ちゃん?」
あのシーンが、この物語の核そのものだったと思います。
男なんて所詮しょっぱい生き物ですね。
女性のなんと偉大なことか。
そして、ひと粒のひかり
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