子供のような純真さを失わないバリ。ただ四人の子供たちと遊ぶことが楽しいだけの彼なのに、妻も少年たちの祖母も周りの人間もそうは思わない。
純粋であること、純真であることは簡単です。だって、人間生まれたときは純粋で純真なものです。難しいのは、それを持ち続けること。それを失わないでいられること。
病床のシルヴィアに、バリが仕掛けた<ネバーランド>。どこまでが真実でどこからが虚構なのか、考えるだけ野暮というものではありますが、あのシーンを見てかなり泣いてしまいました。
シルヴィアはきっととても幸福に逝ったんだと思います。バリがいて、子供たちがいて、なにも案ずることなく安らかに。
寺山修司の言葉に、「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう」というのがありますが、まさにこの作品はそれを体現していました。
想像力を失ってしまうことこそ、もっとも貧しい人間への第一歩です。
ネバーランド
http://www.neverland-movie.jp/