監督:ジョー・ライト
2005年/イギリス

18世紀末のイギリス。5人姉妹がいるベネット家の隣に、大富豪ビングリーが引越してくる。それが、ビングリーの親友で気位の高いダーシーとの出逢いだった。ダーシーのプライドの高さに、5人姉妹の次女エリザベスは反発を抱く。さまざまな恋愛感情が咲き乱れ、そこから生まれた噂話によってエリザベスは益々ダーシーに嫌悪感を募らせる。しかしその反面、なぜか彼の存在が気になって仕方がない。やがてその理由が自分の思いこみにあったと気づいた時、ベネット家の末娘の身に、ある事件が起こってしまった…。
小さな誤解と思いこみが二人を隔て、お互いのプライドを刺激しあうことになり、すれ違っていく。けれど、互いのことをよく知っていくにつれて距離が縮まっていく……という、少女漫画的王道パターンです。
そこに、18世紀のイギリスが絶妙に組み込まれている。舞台背景、社会背景が実によい演出をしてくれる。女性が一人では生きていけない世界。貧富の差と身分。社交界。決して重くなりすぎず、軽すぎず、メリハリの効いた作品だと思いました。
いやしかし、男の僕からしてみれば、ダーシー氏は一見してすげーいい奴だと思ったんですけどね。その後のいじましい態度を見るにつけ、その気持ちはますます強くなりました。
あ、いい男ではないですよ。
いい奴、です。友だちにするならこいつ、みたいな。
最後、エリザベスとダーシーが互いの気持ちを確認しあう湿原の場面。とても美しかったです。
特に額をくっつけたまま、キスをしなかったのがいい。朝日に照らされた二人の姿は、息を呑むほど美しかった。
プライドと偏見
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