監督:ポール・マクギガン
2004年/アメリカ

婚約者と共にレストランにいたマシューは、かつて心から愛した女性の後ろ姿を偶然目撃してしまう。それは、2年前何の前触れもなく彼の前から姿を消した最愛の人、リサだった。婚約者、仕事……リサを失ってから築き上げてきた人生すべてを捨てて、マシューはリサを捜し求める。残された手がかりを追ってマシューがたどり着いたのは、あるアパートメントの1室。しかしリサの面影を漂わせる部屋に現れたのは、リサと名乗る別の女性だった。
雪が舞う、冬のシカゴ。
ひとつの嘘によって
3人の運命が交錯する──
かつて自分の元から去った最愛の人を偶然見かけ、追っていった先には同じ名前の別人がいた──と、切なさ系のストーリーにミステリ調の味付けが施されていることがわかります。まぁ、特に珍しいこともなく、よく見かける感じですね。
ただ、この作品の上手いところは、その見せ方を十分に知っていたことです。現在を軸に物語は展開するのですが、フラッシュバックとして過去が織り込まれます。そして、現在と過去がパズルのように組み合わさり、徐々に全体像が見えてくるのです。
見終わった後、っていうか見ながらも思ったのですが、恋は怖いですね。
まるでなにもなかった空間から信じられないような熱量が生み出され、消費されていく。
いったいどういう理屈なんでしょう。
それにしても、あの女。
「だってずっと好きだったのよ」
じゃねえよ。
そんなことが理由になるとでも?
恋は盲目と言いますが、それは行動原理にはなり得ても、恩赦の理由にはならないですよ? そこんとこを混同しちゃうからいろんなことが有耶無耶にされてしまうのですよ。
ホワイト・ライズ
http://www.herald.co.jp/official/white_lies/