あらすじにもある通り、これは、ラース・フォン・トリアーによるアメリカ三部作と呼ばれる作品群の第二弾らしいです。
第一弾の『ドッグヴィル』を未見なのですが、そんなことはまったく関係なく、この『マンダレイ』を楽しむことができました。
まず驚くのは、この作品の形態でしょう。
舞台ですよ。これ。舞台で演じられる作品を、映画の手法で撮りきった、という、もう、すでにその時点で異例の作品。
言葉を尽くすのは、この作品に対して失礼に当たるのだろうな、と思います。
これは、見てもらわないと。
見ないと駄目だ。
そして、考えないと。感想や論評なんかじゃ、確実に本質を見失う。
アメリカ批判なのか、民主主義に対する問いかけなのか、史実なのか、寓話なのか、ああ、もう、それのどれもが的確で、どれもが激しく見当違い。
この作品を見たことで産まれた、胸に去来した虚しさを、ぽっかりと口を開いたはいいが、何者をも吸い込もうとしないこの穴を、僕は、抱えていく。ずっと。
マンダレイ
http://www.manderlay.jp/