桃井かおりの、桃井かおりによる、桃井かおりのための映画。
小道具やセット、雰囲気、なにもかもが桃井かおり風味。や、ま、監督脚本が桃井かおりなんだから、それは当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど、ちょっと独りよがりがすぎるのではないかな、という気もする。
始まってすぐ、家族でチーズフォンデュを食べるシーンのアングルには驚いた。
もしかして、このままずっとこれだけで描写が続いていくと、これはすごくおもしろい作品になるな、と思ったんだけどなぁ(でも、その手法だと30〜40分が限界かとも思う)。
でも、桃井かおり扮するお母さんがお父さんのことをめちゃくちゃ好きなんだなってことはよく分かった。「おとうさん」って、その呼びかけだけで、こんなにも恋情(あれは愛情ではなかったね)を表せるものだとは思わなかった。
そのお父さんを失っての、決壊と再生、そして緩やかな崩壊。
桃井かおり、上手いな、とは思いますけどね。
もうちょっと、観客を楽しませる、ということを考えて欲しかったかな、と。
無花果の顔
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