監督:塚本晋也
2005年/日本

男が目を覚ますと、そこは身動きすらできないコンクリートの密室。なぜここにいるのか、ここに来る前はどこにいたのか。
爆音快感。轟音を聴け。
暗闇激感。闇を舐めろ。
痛覚解放。痛みを味わえ。
超恐怖体感。恐怖の果てを知れ。
あらすじを読んだとき、あまりの恐怖にちびりそうになりました。
目が覚めたら身動きの取れない密室に閉じこめられていて、しかも腹部には刺し傷が!
いや、無理無理無理。怖い怖すぎる。
閉じこめられる、というのがなにより怖いです。
しかも、それを塚本晋也が撮るっていうんだから。
見たくないなぁと思いつつも、でも、その極限状況を塚本晋也がどのように撮るのか、には大いに興味がありました。
始まってすぐに後悔に襲われました。
いや、やっぱ怖い。密室、しかも身動きのほとんど取れない状況というのが耐えられない。
うううー。
でも、徐々に、徐々に男がその状況からの脱出を試みるに従って、こちらにも余裕が生まれてきました。なんだ、ちょっとは動けるんだ、みたいな。
とことん残酷で残忍な映像ですが、それらから目を背けることなく最後に男が降り立った場所、あの瞬間の優しさといったら。
どんなに極限的なものであっても、「恐怖」は生きているからこそ感じられるものなんですよ。ある意味、生きていることのバロメータ、生きることの指針ともなりうる根元的感情なのかも。
塚本晋也
http://theres.co.jp/tsukamoto/