秋山はる / 講談社

朝6時半からの朝食には入居者全員出席のこと、それが唯一のオキテ。そんなコーポ白百合の面々たちが織りなす1K賃貸グラフィティ!
103号室・今村多恵子(14歳)は、
203号室・橋本修二郎(26歳)に初めての恋。
でも橋本の恋愛アンテナは感度ゼロ、3年近くも同僚に片思い中。
他人との壁は数センチ、恋心までも数センチ。
年の差カップル。ていうか、年の差ギャップ。を多重構造で入れ込むことで、それらしい色を出してきたのではないかなぁ、と感じました。
14歳女子の微妙に繊細なんだか無神経なんだかな感情と、26歳男子のちょっとせっぱ詰まった感と諦念をそれぞれ描き、どちらか一方に偏っていないところがいい感じ。
ただ、せっかくの下宿ものなんだから、主人公二人以外の住人に対する書き込みをもうちょっと加えて欲しいかな。いまのままだと、ちょっともったいない。
傷つくことが怖くて、ちょっとしたことで震えてしまう自分のことを橋本くんが形容した独白。
「なに臆病な小動物になりさがってんだ?」
このコマの絵と文字のバランスが、なんだか妙にシュールで良かった。