秋山はる / 講談社

駅徒歩10分、コンビニ近し、全室南向き。
そんなコーポ白百合は「入居者全員が朝食を共にすること」が
唯一の入居条件。
朝は家族のような、でも単なる賃貸契約者のような、ビミョウな距離の人間関係の中で
大家さんの娘・今村多恵子(14歳)は
入居中の会社員・橋本修二郎(26歳)に恋心……!
みんな同じ屋根の下の
1K賃貸グラフィティ、大団円!
完結かぁ。
あんまり人気なかったのかなぁ。
主人公ふたりがががっとクローズアップされて、その他の住人が添え物のままだったのが残念。
一巻のとこでも書きましたが、どうしても『めぞん一刻』を思い出すんですよね。こういう作品って。
比べちゃいけないとは思いつつも、物足りないなーと思わずにはいられません。
恋、というか、気持ちの落ち着け方は非常に上手いなぁ、と感じました。スマート。
多恵子ちゃんと橋本くんの恋愛、という観点から見ればちょっと中途半端っぽい終わり方かもしれませんが、着地点はそこじゃないんですよね。
「好いた惚れた」から「人が人を思うこと、つながりを持てること」へのシフトチェンジが滑らかで、じつにすっきりと読ませてくれました。