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高屋奈月 / 白泉社
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十二支の呪いを解いて、夾を救うにはもう時間がない! そんな折、透の母・今日子の命日を迎え、一人墓前に向かった夾は、透の新たな一面を知らされる…。お互いを想う透と夾。一方、変わらずにいる事をひとり願い続ける慊人。更に意外な繋がりを持った翔の彼女も初登場!


あー、あー、あー。
紫呉の本心吐露とか、透君の過去と意外な一面とか、紅葉のありえねえ成長っぷりとか、翔とその彼女の意外な繋がりとか。
いろいろあったと思うけど、この巻は、第110話! 第110話ですよ!

のっけからトバしすぎ。
「逃げ出したと言われてもいい…っ」という台詞を吐かざるをえなかった由希に心底同情。キツいよね……あれは。キツすぎるって。
んで、そのあとの透君と夾の会話!

「…… そんなん ただの“買い出し”じゃん…」

ぽつりと! ちょっとさびしげに! 呟くなよ! 男子高校生!
それに対して、

「… 一緒にお出掛けできるだけで… 嬉しいです…」

頬を赤らめて! うつむき加減で! ほんとにうれしそうに言うなよ! 透君! 天然もそこまで行くとひとつの犯罪だよ?

「おまえこそ そのカワイさは大丈夫かと!!
 思う俺は エロオヤジか!? エロオヤジと同じなのか!?」

ほら。夾の心の底からの悲痛な叫びを聞きたまえよ、透君。
夾、心配しなくてもエロオヤジじゃなくても、正常な男子ならそう思うから大丈夫だって。

そして96ページ。
綾女の家に寄り、話しをする由希と綾女。まだ人の気持ちなんて一欠片も気にしていなかった頃の綾女が、傷つけてしまった女性に謝りたいと言うのを聞いて、由希は

「いつまでも不幸なままだと決めつけたらダメだよ ついた傷は消えなくても もっと辛い事や凄く嬉しい事があの人の身にたくさん起きて 現在の笑顔があるなら 毎日 毎日がんばってきた すごい人間なんだと思うから」

と言います。すると、綾女は

「待ちたまえ その理屈でいくと… ボクは君にも詫びる必要がないという事にならないかい?」

と返します。
由希がされてきたことを考えれば、それを見て見ないフリ、というか、実際に視界には入ってもまったくそれを見なかった綾女の行為は、いくら詫びを入れたところで収まらないものだと思います。綾女がそれをずっとずっと気にしていて、それでもどう接して良いか分からなくて四苦八苦するのも頷けるところです。
でも。
由希は、

「俺に? 兄さんが? ? ムチャクチャなトコロを?」

って言うんですよ! 由希にとって、綾女は、もう加害者ではないんです。それどころか、すっかり忘れてる。も、まさに直前の言葉は自分自身のことでもあったわけですよ。や、もちろん、由希にそんなつもりは毛頭ありませんが。
この兄弟のやりとり、心がすーっと洗われていくようです。

って長っ。
これだけの分量を使って単行本の中のたった一話を取り上げている、というところに、この第110話のすごさすばらしさを感じていただければ幸いです。
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