椎名軽穂 / 集英社
前巻の修学旅行で、爽子&風早、千鶴&龍、あやね&ケントの関係が微妙にぎこちなくなってしまいまいた。
今巻はその三組それぞれが出てくるんですが、中でも千鶴&龍がメイン。
どうやって決着つけるのか見当もつきませんでしたが、あぁ、なるほど。
姉弟、家族同然の付き合い、幼馴染といういままでの関係性を補完しつつも、龍と千鶴の気持ちの決定的なすれ違いが浮き彫りになりました。
無口な龍と、しゃべらなくても龍の気持ちがなんとなくわかる千鶴。
だから千鶴もしゃべらなくても龍が自分のことをわかってくれていると思い、龍は千鶴のことを良く見ているのに、千鶴が大体わかってくれてるからしゃべらない。
けれど、千鶴も龍も結局は他人ですから、千鶴は龍の表情や雰囲気といった表に出る感情は読み取れても、心の奥底、本心の気持ちまでは見えていなかったわけですね。
ようやくそのことに気づいた千鶴に、わかっていながらなにも言わなかった龍が、とうとう本心を吐露しちゃいます。
青春だなぁ。
このふたりには特に幸せになってほしいなぁ。