田亀源五郎 ／ G-Project
柴崎の巧みな責めで大橋の内に眠るMの本性がまた一つ呼び起こされていく…
魂と肉体の限界に挑み続け、遂に終局を迎える二人の調教生活
真のM奴隷として開花した大橋が選んだ明日…
うおーすげー。まじすげー。
表紙のイラストやあらすじで一目瞭然かと思いますが、ゲイの漫画です。しかもハードSM。
いままでボーイズラブと呼ばれるものならいくつも読んできましたが、ここまで、こう、なんというかはっきりきっちりしたものを読んだことはありませんでした。
中巻くらいからは慣れたのかすんなりいけたんですが、始めは読み進めるのに結構体力が要りました。
内容は……まぁ、それほど特異なものでもなく。
無駄に自尊心ばかりが肥大し薄っぺらいプライドにすがりついている男が、その薄っぺらいものをめりめり引き剥がされて、素っ裸にされた後にMという衣を与えられていく……というもの。
まぁ、アレですね。
人間を作り替えるのって、どんな場合であっても飴と鞭。これだけですよね。この漫画でも、飴を与えて持ち上げた後に最底辺を突き落とす。するとただ突き落とすよりもギャップで衝撃は強くなる。
そして叩きのめした後にちょっと優しくすればぱぁーっと舞い上がる。
あとはこの繰り返し。
自己啓発セミナーなんかと一緒ですね。
痛みと快楽を同時に与えて、この二つのものを同化させてしまう。
現実に本当にこんな上手くいくのかどうかはなはだ疑問ですが、おもしろい手だなぁ、とは思いました。なるほどなるほど。飴と鞭を交互に与えていきながら、飴と鞭を同じスイッチで与えていく。パブロフの犬みたいなもんですか。
自分では絶対に買うことはないから、最初で最後となるだろうリアルゲイ漫画体験でした。
以外で微妙な人脈に感謝、かな。未知の世界を垣間見せてくれて。
