ダイアナ・ウィン・ジョーンズ / 徳間書店

ラシュプート国のバザールの若き絨毯商人アブダラは、ある日、本物の空飛ぶ絨毯を手に入れて、絨毯に連れていかれた夜の庭で、謎の姫君と恋におちる。ところが、二人が駆け落ちしようとした矢先、姫は巨大な魔神にさらわれてしまう。姫を取り戻すと誓うアブダラ。だが姫の父に追われたり、砂漠の盗賊に捕われたりと、前途は多難。やがて、砂漠で手に入れた願い事を叶える瓶の中の精霊(なぜか不機嫌)や、正体不明の兵士(喧嘩が強い)が仲間に加わり、一行は絨毯(お世辞が大好き)にのって、隣国インガリーの都へ……ところが、力を借りようとした王室づき魔法使いハウルは行方不明。そこでアブダラは、ハウルの妻ソフィーとともに、魔神が住むという空中の城に乗りこむことに……?
『ハウルの動く城2』となってましたけど、なるほどこれは姉妹作ですね。
むしろ『ハウル』の名前は要らないんじゃないかな。
『火の悪魔』と『空飛ぶ絨毯』を比べたとき、よりDWJらしいのは前者だと思うんですが、好き嫌いでいくと、僕は『空飛ぶ絨毯』の方が好きでした。
彼女の作風(良くも悪くも“ごった煮”)と、アラビアンがよく合うんだと思います。UK一辺倒なのより、無国籍なのの方が懐が深いからでしょうね。
まー、なんと言ってもこの作品ですばらしいのは、ヒロインの名前を<夜咲花>と訳したことですね。なんてうつくしい。