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氷室冴子 / 集英社
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あたし(利根)は、朝、目覚めたら、まるで知らない世界へ来ていたの。広い部屋で、覚えがないんだけど、招待客があたしを見つめていたの。踊り子のオディール、暁の国の姫君ゼランディーヌ、ソーンフィールドの奥方、そして王妃──あたしは彼女たちの言葉に従ってそれぞれの家へ滞在することになったのよ。で、初めて知ったんだけど、彼女たち、まるで昔のあたしの姿を見ているようなの。

タイトル、あらすじ、最初の数ページ。
ずいぶんメルヘンチックだなー、氷室さん流の『不思議の国のアリス』かしら、と思っていましたが、これはまた随分どすんと重いものを書くなぁ。

発想はとてもおもしろい。
古今東西の物語のキャラクタが大集合で、しかも性格づけや設定が秀逸。普通通りでなく一捻り加わっているのが心憎い。
そしてそれを軽〜い一人称でぽんぽん書くもんだから口当たりは柔らかいんだけど、徐々に明らかになる真実(記憶喪失だった利根の過去+キャラクタたちの過去)が実に苦い。スイートな中にあるからこそ一層際だつビター。
決して重苦しくなりすぎず、かといって明快な少女小説では終わらせない。
氷室さんの手腕を見せつけてくれる快作です。


昨今ではいろいろと二つ名を持つキャラクタが出てくるようになりましたが、この作品の踊り子オディールに冠せられた通り名“欲しながら舞い、舞い終わる時すでに征服している魔の舞姫、緋と黒のオディール”はかなりの傑作だと思いました。
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