森博嗣 / 講談社

世界一周中の豪華客船ヒミコ号。乗客の持ち込んだ、天才画家・関根朔太の自画像を盗み出すのが怪盗に課せられた今回の任務であった。許された時間は那古野から宮崎までの一日半だけ。なぜか小鳥遊練無たちも無賃乗船したまま航海は続いたが、突然の銃声の後、男性客の消失事件が発生。楽しい旅行は意外な方向へ。
スマートなお話でした。下準備から、発覚、熟成、解決と滑らかに進んでいきます。
まるでそれ自体が航海中の船のように。
そして事件の解決で航海は終わりを迎えますが、最後に「自画像」をめぐっての一エピソード。
保呂草さんが常々口にする行動理念や美意識が非常に分かりやすく端的に表れています。かっこいいなぁ。泥棒だけど。