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三島由紀夫 / 新潮社
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維新の功臣を祖父にもつ侯爵家の若き嫡子松枝清顕と、伯爵家の美貌の令嬢綾倉聡子のついに結ばれることのない恋。矜り高い青年が、<禁じられた恋>に生命を賭して求めたものは何であったか?──大正初期の貴族社会を舞台に、破滅へと運命づけられた悲劇的な愛を優雅絢爛たる筆に描く。


映画を見て激しく憤ってしまい、その勢いに任せて読みふけりました。
ああ。
確かに、原作と映画では筋自体にそんなに大きな違いはありませんが、抱く感想はやはり違います。

映画では、清顕の幼さと傲慢さがとても鼻について仕様がありませんでした。それは、清顕の表層的な部分をさらって示しているばかりで、内面をまったく描写していなかったからです。原作では清顕の屈折した部分を余すところなく描写しているおかげで、それほどの嫌悪は抱きませんでした。
そして、聡子さん。
映画ではいかにも深窓の令嬢といった感じに描かれ、清顕に振り回されるばかりに見えました。ところが、原作では清顕よりも一枚も二枚も上手でした。清顕の幼さを見抜いた上で、手玉に取る妖艶さ。そうしたものが感じられました。
清顕の一方的な傲慢に振り回される聡子、という印象を受けた映画に対し、原作では清顕が聡子を、聡子が清顕を振り回した果ての悲恋、という印象を受けました。
まぁ、それでも、清顕が幼くて思慮が足りないのは変わらないんですけどね。

とりあえずこの憤りをなんとかしよう、といった感じで読み始めたはずが、読み終えたいまとなっては残り三作も読みたくなってきました。夢と転生の物語。どのように続き、終わりを迎えるのか、が気になります。
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