村山由佳 / 集英社

超高校級サーファーの光秀。
まじめで優等生の恵理。
ほとんど接点のない二人を結びつけるのは、ただひとつ、身体の関係だけ。
厳しい現実とそれぞれの悩みの中、身体を重ねることで見えてくるものとは……。
タイトルに「BAD KIDS」と入っているけれど、前作の「BAD KIDS」と時間軸を同じとする、全く別の物語です。とはいっても、前作の主人公達は脇に顔を出すのですが。
やはり、こちらも細部はすっぱりと忘れていたのですが、読み進める内に(以下略)。
ページをめくる度、自分でも呆れるほどはっきりと表情が変わっていくのが分かりました。ああ、端から見たらアヤシイやつだな……とは分かるのですが、止められません。
瑞々しくて、触れればはじける危うさの中で立ち上がる若者の姿。
読み終えたいまでもどきどき感が止まりません。
傑作です。
理屈でもなんでもなく、ただただ胸に響く物語、というものもあるのです。