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絲山秋子 / 中央公論新社
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21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。
軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。
逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。
すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。
おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。


主人公は21歳の躁病持ちの女の子。頭の中では「亜麻布二十エレは上衣一着に値する。」という幻聴が鳴り響いている。
誘われてついてきたのは軽い鬱病持ちの会社員。生まれが名古屋であることに激しいコンプレックスを抱いている。
物語は、このふたりが九州を縦断する様子を描いたロードノベルとして紡がれます。

地の文は主人公の一人称で書かれていますが、文章は至って普通。以前読んだ『水晶内制度』(笙野頼子)なんかは、もう、個人的に受け付けなかったのですが、あっちの方がよっぽど躁病っぽい。いや、実際なったことがないからぽいって言うのも変だけど。

これを読んで驚いたのは、ふたりが病気であることがリアルに迫ってくること。特別病気についての描写が詳しかったわけでもないのに。
言動や仕草や風景を描くことで、輪郭を際だたせている。そんな感じがしました。

九州に行きたいなぁ。
て、先週もこんなこと書いたな。
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