森絵都 / 理論社

どこまで行ける? どこまでも行こう!
森絵都がおくる、<旅>をめぐる超短編40。
小説を書くとき、長いものを書くのは比較的簡単です。それに比べ、短いものを書くのはとても難しい。その長さが短くなればなるほど難しさも比例します。
この短編集は、一作品原稿用紙三枚しかありません。
この少ない文字数できちんと世界と物語を構築するのがどれだけすごいことか。
40もある作品はさまざまですが、どれもこれもぴりりと毒の効いた快作ばかりです。
次々となんとも言えない脱力感や笑いを提供され、あっという間に読んでしまいました。
僕は、中でも「バン爺の旅行鞄」が好きでした。
後味の良さではピカイチです。
ちょっと疲れたときなんかに、ぱらぱらとめくってみるのによい作品かも。