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あさのあつこ / 講談社
no6_4.jpg
「NO.6」の治安局員に拉致された沙布を救うため、紫苑とネズミはエリート高官から内部情報を聞き出す。聖都市で極秘裏に進められる恐るべき計画とは何か?
そしてついに「人狩り」が決行され、囚われの身となった二人は矯正施設の内部へと入っていく──。


謎の多いネズミですが、彼の内部がちらりと垣間見えてきました。そして、なにも知らない温室育ちの世間知らずだと思われていた紫苑の変質。とはいえ、本人にその自覚はないのですが。ネズミの言うように、それは変質というよりも、いままで隠れていた部分が見えてきただけなのかもしれません。
なにはともあれ、確立したかと思われた主人公二人のキャラクターに梃子入れがなされました。シリーズ途中でのマイナーチェンジ。飽きさせない展開です。

この作品で幾度となく繰り返される、徹底した管理の元での快適への疑問と否定、不便ながらも自然にあるがままに生きることへの賛美。
生きることは易くない。易くないからこそ価値があり、うつくしい。
快適の代償として人間らしさを奪われた「NO.6」の元住人でありながら、どこまでも人間らしい紫苑。抑圧はされていないのに、その過酷な環境故に人間らしさを排除するネズミ。
NO.6と西ブロック。紫苑とネズミ。環境とキャラクターにおける属性の入れ違い。
おもしろい構造だと思いました。

この巻では矯正施設侵入までで終わってしまっています。
生きるか死ぬかの大アクションは次巻に持ち越しです。残念。
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