監督:源孝志
2005年/日本

かつての恋を待っていた 妻と恋人の間で揺れていた
秘めた想いに迷っていた 失った愛に向かっていた
結婚という幸せを感じていた 一つの恋に別れを告げていた
上海の恋人を想っていた 謎の人工衛星を見つけていた
生きることに迷っていた 幸せの明かりを灯していた
ある告白をしていた 愛する人の真実を知ろうとしていた
そして、その時、光が消えた。
大都市東京。
クリスマス・イブの夜に大停電が起こり、すべての光が消えた中で、12人の男女が彷徨う物語。
この12人が積極的に関わっていく、というのではなく、群像劇としてそれぞれを描きながら、人知れずリングが繋がっている、という描き方に好感が持てました。
登場人物たちの知らない、彼ら自身を含んだ相関関係。
観客である我々のみぞ知る、不思議な絵図。
ろうそくの明かりって、すごく不思議な色合いをしていますね。
いや、撮影技術の妙だってのは、百も承知ですよ。でも、それは、あくまでも演出じゃないですか。ゼロからつくるわけじゃない。
やさしい光を放つかと思えば、凍てついた光にもなるし、闇と同化する一歩手前の光にもなる。
綺麗な画面でした。
井川遥が不倫に悩む役で出ていたんですが、このひと、本当に不幸な女がよく似合いますね。本人はそんなこと言われてもうれしくないんでしょうが。
『樹の海』では不倫の果てにストーカーとなる女の役でしたが、あれも怖いくらいにハマっていた。
ぽってりとした肉感的な唇と、どこか愁いを帯びた目元が陰を帯びた表情を引き立てるんでしょう。
思ったよりもおもしろかったです。
『東京タワー』のこともありますし、ほとんど期待はしていなかったのですが、こちらは良い意味で期待をはずしてくれました。
大停電の夜に
http://www.daiteiden-themovie.com/