森博嗣 / 光文社

犯罪未満の壮大な悪戯を目的とする非営利団体<ZOKU>と、彼らの悪行を阻止しようとする科学技術禁欲研究所<TAI>。その秘密基地は真っ黒なジェット機と真っ白な機関車!
平穏な日常の裏側では、やられた者が気づかないほどささやかな迷惑行為をめぐって、悪と正義(?)の暗闘が、今日も続いていた!
これもハードカバーは高いし云々で購入を見合わせていた作品その二。ノベルスで出るなんてこと全く知らなかったんですが、本屋をふらふらしてたら山田さんのイラストが目に飛び込んで来るじゃありませんか。「おお!」と思って手に取ったのがこの本。運命ですね、とそのままレジに直行です。
しかし、これ、正直あまり面白くなかったです。
あらすじを読む限り、とても馬鹿馬鹿しい展開を期待していたのに、なんだか中途半端です。
ささやかな悪戯、といっても、やはり被害が発生しない限り露見しないことは分かりますよ。露見しないことには対立もくそもねえってことも分かりますよ。
でも、とても中途半端。
ささやかで、存在に気づいても笑い飛ばせるような悪戯に全力を傾ける組織と、それを大真面目に止める組織の対立、が見たかったのに。そういうのって、やっぱり、両者がものすごく高いテンションで周りが退いてしまうくらいがいいと思うんですが。これは、当事者がそこはかとなく冷めているものだから、ノりきれない、というか。
初めて引いたハズレかもしれない。