森博嗣 / 中央公論社

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供──戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
興味はそれなりにあったんですが、ハードカバーは高いなぁ、場所もとるしなぁ、という理由で購入を見合わせていた作品。
今回文庫化ということで買っちゃいました。
ものすごく洗練された、というより、シェイプアップしすぎじゃないですか的な印象を受ける文章。必要最低限の説明もなく、それでも世界観やキャラクターを把握させるこのテクニックにただただ感嘆するばかりです。
っつーか、文庫の解説、鶴田さんなんですよ。それが文庫購入に踏み切らせた要因の大きな一つではあるんですが、ノベルス、鶴田さんのイラストがついてるんですよねぇ……。
出版社の思惑に乗せられていることは分かり切っているんですが、そこはそれ、哀しいオタクの性ってやつですか。
実物を見て、それでも我慢ができる自信なんてひとかけらもありません。