作・演出:竹内銃一郎 / JIS企画

劇作家・斑目正午が失踪する。
海岸の別荘に残された未完の戯曲「マダラ姫」。
謎が謎を呼ぶ〈本格推理劇〉。あっと驚く大どんでん返し。
生と死が、男と女が、喜劇と悲劇が、右にゆれ左になびく、ああ、マダラ模様の聖なる無秩序!
やっぱりプロはひと味違いますね。アマチュアとは。
見やすさが違いました。長台詞も苦ではなくむしろ心地よく。
笑わせるところはきちっと笑わせ、締めるところはきちっと締める。その切り替えも絶妙。
とてもおもしろかったです。
お話は本格推理劇、というより、現実と妄想の狭間に落っこちた人々を描いた幻惑的なものでした。
昨今のテレビはなんでもかんでも一から十まで説明を付けないと気が済まないようで。なにからなにまできちんと理由と結果が定められていて、想像力の入り込む余地が皆無なものばかりです。映画も大々的に興行されるのはその流れを組んだものばかりですね。ただ流し見るには最適なんでしょうけどね、そういうの。
今回のお話は良い意味で説明不足でした。
絶対的な解答は存在せず、ただ、見る者が感じた通りに完結する物語。
それは、結末を丸投げにして見る者に委ねる、というのとはまた違います。
幾通りもの答えを用意し、それをすべて舞台の上で提示した上で、見る者にそれを選ばせる。
想像力を差し挟む余地がある、というのは、創作に必要な第一条件だと思います。
マダラ姫
http://www.morisk.com/jis-madara.htm