ネット上で話題になっていたので名前だけは知っていた作品です。
おそらく映画公開の番宣の一環としてでしょうが、こちらでも深夜に放送していたので見てみました。
すごい。
これはおもしろい。
魔法少女になれば、どんな願いでもひとつだけ叶えてくれる。けれど、魔法少女は人に仇なす存在の魔女と戦い続けなければならない。
願いを叶える代わりに対価を支払う。
この図式は特に珍しくもなく、どちらかといえば正統な魔法少女モノとも言えるのではないかと思います。はじめはそうした「お約束」をあえてきっちり見せたあと、物語は第3話で激変します。
魔法少女が持つイメージ、魔法少女モノといえばこんなんだろうというこちら側の思い込みを粉砕するストーリー展開。
そこに容赦はまったくなく、物語がどう転ぶのかさっぱりわからなくなりました。
メインキャラクタが次々と死んでいくという展開も驚きでしたが、そのストーリー展開の中で語られ明かされる設定の数々の秀逸なことといったら!
「魔法少女」という皮を剥いだ先にあったのは、骨太のSF設定でした。
諸悪の根源を叩きのめすのではなく、奇跡や根性で困難を乗り越えるのでもない。
論理的に展開された設定を論理的に収束させることで、物語を落ち着けている。
12話使って語られたひとりの少女の物語は終わりますが、結果として世界は本質的に変わらない。
希望と絶望は紙一重であり、祈りはいつか呪いに転化する。
ああ、人間の業をわかりやすく描いた作品だったのだな、と思います。