監督:市川準
2005年/日本

父がもうすぐ、いなくなる。この世から、消える。一生教師だった父。でも、誰よりも頑固で厳しい教師だった父を見舞いに来る教え子なんて、ひとりもいない。
そして、僕が教える小学生たちは、死の意味が分からない。インターネットの死体写真。斎場への寄り道。「どうして死体を見ちゃいけないの?」
──父さん、死ぬってどういうことなんだろう?
僕にも全然分からない。だから父さん、僕らに教えてくれないか? ずっと生きてきた父さんが、今こうして命を見つめている姿を、見せてやってほしいんだ…。
テリー伊藤が主演ということで、一抹の不安がありました。
だって、市川準とテリー伊藤ですよ? 合わねーだろーなぁ、でも、それを市川準が撮るとどういう風になるのかは見てみたいなぁ、という感じ。
果たしてそれは杞憂以外の何者でもありませんでした。
なんだ、やるじゃん、テリー伊藤。
「死」とはなにか、ではなく、「死ぬこと」とはどういうことなのか。
結局、その瞬間、「死」そのものに触れることはできないんですよね。本人にも、それを看取る人間にも。
「死ぬこと」を静かに、そして誠実に追っていく作品でした。も、それはそれは市川準お得意の。
お約束っつーか、も、このテーマとタイトルからもろ分かりなのですが、ラストの「あおげば尊し」には涙腺を激しく刺激されました。
ずるいって。
あおげば尊し
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