幻想的、と言うか、幻惑的と言おうか。
とにもかくにも、少女、少女、少女! 少女の妖しさ、うつくしさ、不気味さ、そしてエロス。女性にしてみたらかなりぞくっとする作品なのではないか、と思いました。
はたから見ていることしかできない僕ですらそう思ったのですから。
少女を扱った作品はいくつかありますが、そのどれとも違うな、という印象を受けました。
なんというか、少女を「少女」という生物として描くことを、この作品ははじめからしていない。
少女は、あくまでもただの時代なのだ、と訴えているかのよう。
というのも、入学・卒業、校長先生に選ばれる、もしくは脱走、と、少女たちの完璧な世界“エコール”は代謝を繰り返すものだ、ということが描かれているからです。
最後の方には、少女の持つある種の魅力を明らかに過大評価しているとしか思えない大人(外界の世界そのもの?)が出てきますが、それを見て、少女に対して幻想を差し挟むなんて愚かな人たちね、と嘲笑われているような感じがしました。
ラストのシーンを見ていて、原題の「Innocence」という言葉が一気に染み渡ってきました。
なんで邦題“エコール”にしちゃったんだろう。
イノセンス、じゃ、某有名アニメ映画と被るからか。
うーん、残念。
エコール
http://www.ecole-movie.jp/