淡々と語られ、イッセー尾形と宮沢りえがそこにいる映画でした。
なに言ってんだか分かりませんか。
見てみれば分かると思うんですが、言葉にするのは難しい──というか言葉にしたくないです。あれは雰囲気を見て聞いて感じるから良いのであって、説明しちゃうと台無しになると思うので。
観ながら、こわくてさみしくてつらかったです。
孤独を失うことの容易さ、孤独を獲得することの難しさ。
孤独でいられるということは、なんと幸福なんでしょう。孤独を失うということは、なんと恐ろしいことなんでしょう。
泣きそうです。
帰りに図書館に寄って、原作である村上春樹氏の短編『トニー滝谷』を読みました。
映画と原作の隔たりのなさに驚きます。
文章と映像ですから、もちろんそこには埋めることのできない溝が横たわっているわけですが、まったく違和感がない。
ただただ、「孤独」な作品です。
やっぱり泣きそうになりました。
トニー滝谷
http://www.tonytakitani.com/