監督:冨永昌敬
2006年/日本

この物語は、21世紀の天才レントゲン技師・飛島芳一が、動物国宝のオオサンショウウオ=キンジローに関わる、ある奇妙な依頼を受けることから始まる。
これは、デタラメだが、深い愛の物語なのである。
夏、大阪で『時をかける少女』を見た劇場でポスターを見たときから激しく気になっていた作品で、金沢でも見ることができてとてもうれしかったです。
が。
あらすじの最後の一文の通り、これは非常にデタラメな物語でした。
大体、天才レントゲン技師ってなに(笑)。
ひどく真面目かと思えば途端に馬鹿馬鹿しくなり、ふと切なさが顔を出したかと思えばしょうもないギャグでかき回す。
ほんと、物語としてみると最高にデタラメで大変です。
しかし、駄作かというとそうでもない。
出演しているのがそろいも揃って個性派俳優だらけ(香椎由宇は微妙だけど)なので、その掛け合いはところどころできらりと光る。カット割りとか、映像の作り方もところどころスタイリッシュでかっこいい。
オダギリジョーを主人公として見ると、一応恋愛映画、ということになる(かな?)。
香椎由宇を主人公としてみると、一応青春映画、ということになる(かな?)。
キンジローを主人公としてみると、馬鹿な生物(=人間)観察映画、ということになる(かな?)。
なんだかよく分からないけれど見終わった後にはそれなりの満腹感が得られる、けれど、やっぱりどうも分からない。
なんかそんな、やはりデタラメとしか形容のできない映画でした。
パビリオン山椒魚
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