監督:ジョン・マッデン
2005年/アメリカ

輝く美貌と天賦の才能を持ちながらも、天才数学者である愛する父の死をきっかけに、自らの人生を封印してしまったキャサリン。父の弟子の数学者ハルのやさしさと出会い、少しずつ心を開いていくが、父の書斎から世紀の数学の<証明>が見つかったことから彼女の運命は大きく変わっていく…。
数学者や数学を扱った作品といえば、『博士の愛した数式』を思い出される方もいるかと思うのですが、こちらの作品では、主要登場人物四人(キャサリン、父、姉、ハル)の内、三人が数学者です。
なので、改めて数学のおもしろさと数の持つ特性を見せるという作りではありません。有り体に言っちまえば、数学が数学である必要はそこまでなく、そこはもっと違うものでも代替可能でした。
しかし、そこはそれ、数学が蔑ろにされているということではありません。
世紀の証明、を軸に物語は進みます。
誰がその証明を成したのか、というフーダニット的な部分を追いつつ、その謎が明かされると同時に、何故それが謎となってしまったのか、というワイダニットの方にも答えが与えられる。
それが、また、なんとも切ないんですよ。
あの胸を締め付ける感情は、数学だからこそ演出し得たものであった、とも思います。
かといって、この作品は、謎解きを中心とした作品ではありません。
さまざまな困難に見舞われても、自分を信じることさえ忘れなければ、そして自分を信じてくれる誰かのことを忘れなければ、何度でも歩き出すことはできるんだよ、という、そういう希望に満ちた作品でした。
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
http://c.gyao.jp/movie/proofofmylife/