監督:西谷弘
2006年/日本

野村聡はK県庁のキャリア公務員。エリート意識を持った上昇志向丸出し男で、婚約者も地元大手建設会社の令嬢、と人生は順風満帆。
野村は県政の目玉である民間企業との人事交流研修メンバーに選出されるが、研修先はやる気のない三流スーパー。しかも野村の教育係・二宮あきは自分より年下のパート店員だった。書類第一で融通の利かない公務員とお客様第一で現場主義のパートがうまくいくわけもなく、二人はことあるごとにぶつかってしまうが……。
王道ですねぇ。
権力 V.S. 庶民、この構図はもはや織田裕二のためにあると言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
メリハリの効いた堅実な作りに、役者から起こしたんじゃ? と思わせるキャラクタ。
特におもしろくもつまらなくもない作品でした。
ただ、言葉の使い方は上手かった。
「前向きに善処します」と「BじゃなくてA」。
どちらも違うシーンで登場し、ラストで大きな意味を持つ台詞です。伏線の張り方がとてもナチュラル。さらっと見せてくるやり方は上手いと思いました。
特に「前向き〜」の方には完全にやられた。
ラストに至るまでに二度も登場しているのに、全然気付かなかった。
作品全体の方向性とか広報とか、作品自体になんとなく植え付けられたイメージに騙されるんですね。
見終わった後になってみると、見事なミスリードだったなぁ、と感心することしきりです。
県庁の星
http://www.kaikaku-movie.jp/