監督:アルノー・ヴィアール
2004年/フランス

ひょうひょうとパリを闊歩しているように見えるアントワーヌだが、近頃孤独の影を隠せない。そんなある日、地下鉄でクララに出会う。美しく、自由で、寛容な女性。たちまち恋におちるアントワーヌ。生まれて初めて、出会うべくして出会った運命のひとのように強く惹かれあう二人。しかし、人生はそれほど、シンプルではない。
クララは不治の病に冒されていた。アントワーヌは、彼女の傷ついた心をけ止めることができるのか・・・
アントワーヌとクララの出会いは、タイトルにもある通り、メトロ(地下鉄)で起こります。要はナンパです。僕は、この始めのシーンがとても好きでした。恋に臆病なアントワーヌ、闊達なクララ。あのやりとりが、その後のすべてをものの見事に物語っているのです。
出会って、たちまち恋におちる二人。
まぁ、そういうこともあるんだろうとは思うんですけど、どうしても違和感が拭えません。展開が早すぎるような。僕の頭が固いだけですかね。まぁ、フランスらしいといえばフランスらしい感じです。
この作品はなんと言ってもラストです。
良い意味で期待を裏切ってくれます。
こう、「愛し合う恋人、不治の病」とくれば、昨今の純愛ブーム(特に韓国)の得意技ですが、予定調和的なハッピーエンドでもお涙頂戴的なアンハッピーエンドでもないところに、非常に好感が持てます。
エンドロールが流れてきたときは、正直 「え!? これで終わり?」 と驚きましたが、こう、後になればなってくるほどあれが一番良かったのだと思えてきます。
清々しい後味の作品です。
メトロで恋して
http://www.elephant-picture.jp/metro/