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監督:唯野未歩子
2005年/日本
migomoru.jpg
幸せ身籠る。

冬子、29才。とりとめない生活の中に生じた唯一確かなこと、ただいま妊娠9ヶ月、まぎれもないにんぷであるということ。
でも、十月十日を過ぎても産気づく気配はなく、お腹の子どもはまだ外に出たくないらしい。

どうしたら子供は産まれてくる?
どうして産まないといけないの?

妊娠三年。
はち切れそうなお腹。
子供を産むってどういうことか、父親になるってどういうことか、幸せってなんだろね。
そんな、メルヘン。ファンタジー。

中島知子が驚くほど良かった。
女性性の神秘さといやらしさ。あますことなく、まさに全身で体当たりして表現されるその姿に、見とれてしまいます。

この作品には、ものを食べるシーンが頻繁に出てきます。
しかも、すごく美味そう。
ものを食べるというのは、他者の命を取り込んで自分の命とするということです。命から命を生み出すという繋がり。
そこに産まれてこない子供、妊娠を続ける妊婦、という一種の“装置”を取り付けることで、鋭い疑問が提示されます。
それはすなわち、生きるってなんだろね、っていう、そういう根元的な疑問です。

そしてもう一つ。
西島秀俊演じる、冬子の夫、徹。
責任を負うことを恐れ、父親になるということの意味も分からない情けなさ。
でも男性性ってのは、得てしてそういうもんなんですよね。しっかりと、根本のところで根を据えられないものだから、外見や肩書き、分かりやすい力なんてものにすがってみたりする。
少し遠回りではありましたが、徹がてにした結論、「お父さん? なる。なるよ」というあの一言。軽く放たれるあの一言の意味の大きさを、きちんと考えて欲しいものです。世の男性諸氏よ。


今回の上映、なんと西島秀俊さんの舞台挨拶があったんですよ。
チケットは即日完売だったらしいですが、僕は整理番号5番を無事にゲットしていたので、最前列の中央で見てました。
本物の西島さんは、スクリーンの中で見るよりもずっと顔がちっちゃくて手足が長くて、すっごくかっこよかったです。
でも、なんとなく口調の端々から漂う駄目男オーラは、スクリーンで見るより強かったかも(笑)。
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