監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
2003年/タイ・日本・オランダ・フランス・シンガポール

言葉をこえて、たしかにぼくらは愛を見つけた
すごく不思議な感じです。
なにが不思議なんだろう。そこがまた不思議です。
お話は、紛うことなくラブストーリーなのです。
全く対照的な人生を生きてきた男と女。国籍も言葉も生活習慣も違う二人が、ひとりは兄の死を、ひとりは妹の死をきっかけに出会い恋に落ちる。
でも、後味がなんか違うんです。
あえて言葉にするなら、カレーだと思って食べた料理が、確かにカレーではあるけれど、具材も味付けもいままでとは一線を画していて、まるで新種の料理を食べたような感じ。
あれ? よけい分かりにくくなりましたか?
全体的にとても良い作品だったのですが、ラストがちょっといただけません。
ケンジの言葉を信じ、空港のロビーで一人待つノイ。周りがあわただしく動く中、彼女は椅子に座り、その横のテレビでは映画のエンドロールが流れている。
ここで終わってた方が良かったと思うんですよ。
警察でタバコを吹かすケンジや、大阪で働くノイの姿、そして……は、無い方が余韻がより深く、強く見る方に訴えかけてきたんじゃないかな、と。
そこまでの持って行き方や演出がとても良かったので、余計に気になるんでしょうね。
もしあそこで切れていれば、自分的にパーフェクトだったんですから。
地球で最後のふたり
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