近未来を舞台にしたラブストーリー。
運命の恋でありながら引き裂かれる二人、という、まぁ、王道的なパターンです。が、この映画が際だつのは、ひとえにサマンサ・モートンのおかげです。
きれいだとかかわいいだとか演技が上手いだとかではなく、スクリーンに彼女がいる、というその存在感。全体的に淡々としていてどこかくすんだ感じのする作りですが、彼女が透明感や鮮やかさといったもののすべてを引き受けている、という感じがしました。
また、作中でサマンサ・モートンが「I love you...I love you...I love you...I love you...I love you...」とほとんど聞こえない囁きを発するのですが、口の動きだけであそこまで感情を見事に伝えられるものか、と、感動を覚えました。
対照的な二人の姿が提示されるラスト。
どちらがしあわせなのか。
分かりません。分かりたくありません。そんなこと考えないで済むのなら、それにこしたことはありません。
一方はリセットボタンを押され、なにもかもを忘れたまま以前と変わらない日常へ。
一方はすべてを抱えたまま、途方もない愛しさと哀しさを胸に秘めたまま。
はぁ。
つらいですねぇ。切ないですねぇ。
砂漠を行くサマンサ・モートンのまっすぐな瞳がとてもとても印象的でした。
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