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監督:小松隆志
2005年/日本

子供の頃の失われた記憶を求めて、東北の山奥にある「隠れキリシタンの村」を訪ねた大学院生・佐伯里美。彼女は、16年前にその村で神隠しに遭い、そのときの記憶がなかったが、村の一部がダムに沈むことが決まって以来、神隠しに遭ったときの断片のような不思議な夢を見るようになっていた。一方、異端の考古学者・稗田礼二郎も「はなれ」と呼ばれるその村のはずれにある集落に伝わる聖書異伝「世界開始の科の御伝え」を調べるために村にやってきた。やがて、一人の「はなれ」の住人が、キリストのように十字架に磔にされた姿で発見された。その惨殺死体に村は騒然となる。しかし、それは彼らの目の前で繰り広げられることになる想像を絶する「奇蹟」の始まりであった……。

聖書異伝と土俗信仰。そして神隠し。
ああ、もう、こんな素材を使ったなら、おもしろくないわけがないじゃないですか。
宗教と信仰の起源は、どんなものであっても、つまるところは自然への畏怖・尊敬と人間同士の因習から発せられているものだと思います。
なので、こうした題材を持ってくるとき、現代よりもまだまだ閉鎖的であった時代の山奥の村、というのは、まさにまさに適役すぎる舞台です。
雰囲気たっぷりで、すっと入り込むことができました。

主役は阿部寛と藤沢恵麻。
阿部ちゃんは、ちらっと『トリック』の上田を彷彿とさせる部分がありましたが、良く演じていたと思います。
藤沢恵麻は、NHKの『天花』の初期に比べるとずいぶんマシになりましたね。ていうか、アレがひどすぎたんですけど。見違えるよう、とは言えませんが、まぁ、それなりに見られる感じでした。
主役二人はともかく、この作品は、脇役がすばらしい。
草村礼子、清水紘治、神戸浩等ががっちりと脇を抱え込んで、作品の世界観を守っている。脇に支えられていた、と言えると思います。

展開や最後のオチにはいまいち釈然としないものが残りますが、テーマや題材が個人的にものすごくツボなので、それなりに満足できました。
やっぱりいいなぁ。こういうの。宗教や歴史、民俗学を巻き込んだ“トンデモ本”が恋しくなってきました。

この作品は、諸星大二郎という人の漫画を原作としているらしいのですが、ものすごく読みたくなりました。こういうとき、ネット通販のありがたさが身に沁みますね。



奇談
http://www.kidan.jp/
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