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監督:実相寺昭夫
2005年/日本

昭和27年、東京。
雑司ヶ谷の大病院にまつわる奇怪な噂が、世間を騒がせていた。院長の娘が20ヶ月もの間妊娠し、一向に出産する気配がない。しかも、彼女の夫は一年半前に医院の密室から忽然と消え失せ、未だに行方不明なのだというのだ。しかし、それは聞くも恐ろしい事件の、ほんの入り口に過ぎなかった……。

「この世には、不思議なことなどひとつもないのだよ、関口君」

ついに見てきました。京極。
去年、まさかの映画化というニュースを見てから、不安で楽しみでしょうがなかった作品です。

感想としては「よくやったな」といった感じです。
あの内容を二時間の映像作品にする、という無謀な試みも、まぁ一応形になってますし。

キャストも豪華豪華。なんで宮迫やねん!というところを除けばそれなりに納得のいくキャスティングでした。個人的に京極堂=堤真一がちょっとイメージ違うかな、という感じでしたが、まぁ、イメージぴったりの人間なんて芥川龍之介でもない限りありえないので、そこは妥協のきく範囲です。

そしてなによりも驚いたのが、美術。
あの目眩坂はすばらしいですね。イメージぴったり。
京極堂も雰囲気出てました。蔵を改造するとは。さすがですね。
久遠寺医院はちょっと狙いすぎでは?という気もしましたが、映画全編から漂う古き良き探偵活劇というイメージを考えればそれほど奇異でもなかったです。

ただ……やっぱり物足りなさは残ります。
なんとか二時間で納めようとがんばったのは分かりますが、原作を読んでない人にはなんだか薄っぺらく見えたのではないかと不安。
京極堂の長広舌も、堤さんがんばったんですけどね。やっぱ足りない。
この作品は作り込まれた設定と舞台背景が魅力のひとつでもありますが、なんと言っても京極堂の超・長広舌。圧倒的な知識から繰り出される言葉の奔流。それがなによりの魅力です。
見開き二ページほとんどすべて京極堂の台詞、とか。もう物理的な威力を持った言葉の群れが一点に収斂する快感。それが映画では薄い。代わりに光と音で演出して盛り上げようとはしましたけどね。仕方ないとはいえ、残念です。

あ、あと、光の使い方、その演出は見事でした。
なるほど、そういう見せ方もありか、と少し新鮮でした。

映像と文章では、相容れない壁があります。
文章の映像化、というものをそう簡単にやらないで欲しいな。



姑獲鳥の夏
http://www.ubume.net/
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