監督:萩生田宏治
2004年/日本

母親の結婚式に出席するために帰省した晴男は、昔の恋人・深雪と偶然再会する。彼女は数年前に故郷を離れたが小学生になる娘のチハルを連れて戻ってきていた。ひょんなことから、晴男とチハルは一日を過ごすことになり、いつしか二人は親子のような絆で結ばれてゆく──。
君に出会えて、
僕はほんの少し大人になった。
誰かを大切だと思えることのすばらしさと、その愛する人とともにあることのよろこびを綴った物語。非常に、非常にあたたかい作品でした。
どこか純朴な部分を残した不器用な少年のような晴男に西島秀俊。
年相応ながらも時たま大人びた表情を見せるチハルに守山玲愛。
なんといってもこの二人ですよ。
徐々に距離が近づいていき、絆が結ばれていく様子を見事に演じていました。
西島秀俊の役者っぷりには、本当に驚かされるばかりです。いろんな役をこなす人だなぁ。しかも、どれもこれもすごく上手い。
そして、その西島秀俊に匹敵する演技を見せた守山玲愛。『ニワトリはハダシだ』のときも達者な子だなぁと思って見ていましたが、これからの活躍に期待が持てます。
美少女と呼べるタイプではないけれど(失礼!)、とってもかわいらしいです。満面の笑顔のチャーミングさといったら、もう、アナタ。頬が緩むこと必至ですよ。
あの三者三様のラストシーンはかなりぐっときます。
特にすっかり大人びてしまった晴男の表情が印象的でした。
これは、大人になりきれなかった少年が少女と出会うことで大人へと至る、ボーイ・ミーツ・ガールの亜種なのだなぁ、としみじみ思いました。
帰郷
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