監督:瀧本智行
2004年/日本

生命が青々と生い茂る富士山麓・青木ヶ原樹海。自殺の名所と名高いその場所で織り成される「生きる」ための物語。
この森で生命に出会う。
予告を見た限りではすごくおもしろそうだったんですけどねー。
実際見てすっごいがっかりでした。
作品は、樹海に捨てられた男、死にに入った女からの助けを受けて捜す男、自殺の真相を追う男、自殺に失敗した女、のそれぞれ独立した四つのエピソードからなっていて、絡むことはありません。自殺と樹海をキーとしたオムニバス作品、といった様相です。
「生と死」は、すごく普遍的なテーマです。
誰にでも訪れるが故に、誰もが入り込める。だからこそ、こうして物語とするときは徹底してセンスが求められます。安易に扱うと、手痛いしっぺ返しを食らう。
今作は、どのエピソードも薄っぺらい。
おもしろくないわけじゃない。むしろ、ものすごくおもしろくなる可能性を秘めている。一つ一つのエピソードをもっと掘り下げて、それで一本の映画にしてしまえばもっと見応えが出たんだと思います。
それか、せめて樹海をキーとするなら、樹海でそれぞれを交差させてしまえば。
各エピソードがそれぞれ絡んでいくことで、物語としての厚みと深みが醸し出せただろうなぁ、と思います。
もったいない。
お話の筋が悪くないだけに、がっかり度も高かったです。
樹の海
http://www.bitters.co.jp/kinoumi/